【連載】胴長短足2の④靴と下駄の比較

2010.07.29
「なぜ日本人の体型は胴長短足だったのか」2の④
・靴と下駄の比較

靴と下駄は、足の機能を延長した道具です。履き物の機能として、足裏の保護や足の防寒などが挙げられますが、なぜこうも形が違うのでしょうか。
(靴の絵は、前出『靴の辞典』より引用)

下駄と靴を構成している部品を分けると下記のようになります。

・靴  = 靴底 + ヒール + 甲被(+ 靴ヒモ)
・下駄 = 底板 + 歯×2 + 鼻緒

まず初めに、靴底と底板を比べてみたいと思います。靴底と底板は、足の裏を地面にある突起物などから保護してくれています。

靴底は弾力性のある素材でできていて、反りかえります。これは、つま先で地面を蹴る時の足の指を伸ばす動作をスムーズに行えるようにするためです。(下の写真は足の指を伸ばす動作の写真です。)

 

 

 

 

 
 

(身体運動の機能解剖学 監修 栗山節郎 翻訳 中村千秋 土屋真希 医道の日本社 以下も同文献より引用)

これに対して、下駄の底板は靴底のように反りかえりません。また、靴底は足の裏とほぼ同じ大きさに作られていますが、下駄の底板は足の裏よりも大きく作られています。これは、雪国で使われるカンジキのように、足裏の底面積を広げ、水田の中で足が沈みににくくする工夫だったそうです。

次に、靴のヒールと下駄の歯について比較していきます。靴のヒールは、足のつま先に対して踵を高くすることで、つま先に体重がかかりやすくなっています。また近代の靴では、ショック吸収材などが使われていて、足にかかる衝撃を緩和してくれています。
下駄の歯は、板に対して均等に付いているのではなく、板の後方よりに付いていて、足の踵に体重がかかりやすくなります。

最後に、履き物と足を固定してくれている甲被と鼻緒の違いについて説明していきます。靴の甲被(+ 靴ヒモ)は、歩いている時に足が靴から脱げてしまわないよう固定してくれています。下駄では、鼻緒が足と下駄を固定する役割を果たしています。鼻緒に足の指を通しただけでは固定は弱いものですが、指を通し、指を握ると足の甲が鼻緒と密着して足と下駄の固定を強いものになります。下駄を履いて走る時や、水田から足を抜く時などは、下駄が脱げないよう固定を強くする必要があります。

 
 

下駄と靴では、履いた時に行う足の動作が真逆に近いです。

・靴  - つま先に体重がかかる - 足首を伸ばす - 足の指を伸ばす
・下駄 - 踵に体重がかかる   - 足首を曲げる - 足の指を曲げる

下駄では農作業は楽に行えるかもしれませんが、現代のような靴を履いて行うウォーキングを行うのは難しいです。次の回で、下駄と靴の歩行の違いについて、私の考察を書いていきたいと思います。

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