経済ってなんなの?

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経済とは、「ただ循環すること」です。
経済とは、「ただ循環すること」で、そういう大雑把なものの中で「利潤をとる」の部分だけがクローズアップされてしまった。― そういう「たった一つの方向性」ばかりが強調された結果、今の世界経済は苦しいことになっているのだろう、そしてそれに連なる我々の生き方だって、どこかで苦しくなっているのだろうと、私は思っているのです。
「経済」は、まず「物質の生産・流通・交換・分配」で、「その消費・蓄積」だと言います。ところどころ分からないのですが、なんとなく分かります。
「物が向上で作られ、トラックに乗せられ、流通されて、消費者のところに届く」
― ここに「消費者は金を払って、その金は生産者のところに届く」と付け加えると、なにかは回っているような気がします。

「 乱世を生きる 市場原理は嘘かもしれない 」橋本治著

地震が起こる前に、橋本治さんの「 乱世を生きる 市場原理は嘘かもしれない 」
を読んでました。
経済学者のカタカナを聞いてもピンとこないのですが、この本の内容は
腑に落ちました。
もう一度 「経済」 について考えてみた方がよい気がするんです。

ところどころ橋本さんの言葉を借りて、僕の考えを進めていきたいと
思います。

企業が「付加価値」なんて言葉を強調して使いだした頃から経済が
歪み始めたんじゃないかと僕は考えています。

1億総中流と呼ばれた過去の日本社会は成熟を迎えた。
冷蔵庫、テレビ、洗濯機、自動車、住宅など必要なものがほとんどの
家庭にいきわたり、各家庭の要望は満たされていた。

しかし、右肩上がりの成長を続けたい企業としては、消費者に満足されては
困る。自動車メーカーは新たな市場を求めアメリカに車を売ったが、
アメリカに怒られたのでダメだった。いくら製品が優れていても、相手国の
産業を脅かすほどの大量の輸出は貿易摩擦を起こす。

国内での需要を高めるしかない。
日本の人口は減っているのだから、一人あたりの購入単価を高くして
いくしかない。

企業が物を売るターゲットは 「家族」 単位から 「個人」 単位になった。
家族内にいて、直接市場に参加していなかった 「こども」 と 「お年寄り」
は絶好のターゲットだった。

家族それぞれが、子ども用、大人用、お年寄り用の商品を使うようになり、
家族内で物をシェアしなくなった。
電車の中で、兄弟の子ども2人がそれぞれ色違いのポータブルゲームで
遊んでいて、母親は携帯電話でメールしているのは、なんだか寂しい風景だ。

僕は小さい頃、ファミコンの取り合いで兄や妹と本気で喧嘩したし、父親が
野球を見ている時にファミコンやろうとしたら、こっぴどく怒られたのを
覚えている。

でも、これを通して兄弟や両親の間でルールが生まれたし、喧嘩の手加減や
言葉の匙加減、仲直りの方法を覚えた。

自転車や鉄棒は父に教えてもらったし、料理や勉強は母に習った。
体育の家庭教師も、塾の講師も、料理教室の先生も別に必要なかった。

「個人」 向けサービスによって、たしかに経済上の数字は伸びたかも
しれないけれど、家族内は循環しなくなりバラバラになっていると思う。

家に必要なものは全て整っているから、商品の購入基準は
「必要か必要じゃないか」 から 「欲しいか欲しくないか」 に切り替わった。
インターネットやテレビの商品購入扇動はもはや洗脳に近い。

これだけ毎日テレビで人間の欲望を煽っていれば、人間が浅ましく
なるのは当然だと思う。若者が主張する自分の個性は、そのほとんどがテレビや
雑誌の言葉をステレオのように反復しているだけで、「個性的なファッション」
といって、みんな同じ格好をしてしまっているのは滑稽に見える。

もしかしたら、「個性を大事にしなさい」 という言葉も、教養ではなく
販売促進フレーズだったのかもしれない。

経済が発展していくことによって、私達の家族や社会がより円滑に
循環していっているかといったら、そうではないと思います。
むしろ反比例していく一方な気がします。

お金は流れているが、人が流れなくなった。
社会を回そうと頑張って仕事をしている人と、人の流れを塞き止めて
儲けているだけの人がいる。今はおそらく後者の割合の方が多い。

なんのために経済をまわしているのか、もう一度考え直さなくて
いけないのではないでしょうか。

コメント

  1. 蛍夜hotaruyo より:

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    橋本治さんの 「 乱世を生きる 市場原理は嘘かもしれない 」 の紹介と考察に大いに共鳴しました。橋本治の『窯変源氏物語』を日々少しずつ読み進めています。気取った見慣れない用語が頻出して電子辞書引きながらですが、大著の半分ほど進みました。橋本治は常識的ではなくて面白いですね。氏は昭和23年3月生まれなので、22年4月生まれの僕と同じ団塊の世代です。

  2. SECRET: 0
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    蛍夜さん、コメントありがとうございました。
    橋本治さんは面白いですね。まだ新書や対談本しか読んでいないのですが、作品も読みたいと思っています。
    蛍夜さんと同じ世代なのですね!

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