【連載】胴長短足番外①元気な子ども

2010.07.27
「なぜ日本人の体型は胴長短足だったのか」番外①
・元気な子ども

土門拳さんの写真集 『腕白小僧がいた(小学館文庫)』 を見ると、昔の子ども達は
本当に元気です。(まぁ、元気だから被写体になったんでしょうけれど、それにしても元気です。)

(土門拳 腕白小僧がいた (小学館文庫)/土門 拳)

このエネルギーに満ち溢れた子ども達が成長して大人になって、戦後の疲弊した日本を復興した、経済成長を支えた、なんて想像すると、なんだかとても納得がいく気がします。残念ですが、今の子ども達を見ても、そういったエネルギーを発している子どもがとても少ないと感じるんです。

今の日本の子ども達の身体を見ていると、石川遼さんや浅田真央さんのような、100万人の1人の天才を発掘して育てるよりも、100万人のうち80万人の体力をそれなりのそこそこのレベルまで底上げすることの方が急務だと思います。

いつの時代でも、きっと年寄りは「最近の若い者はだらしない!」と叫び続けているでしょう。でも、今回は何か違うんじゃないかと思うんです。

子ども達の体力が落ちてきている。学校の体力テストの数値が落ちてきているから、学校でハンドボール投げや、反復横跳びの練習をした、なんてニュースを目にしたことがあります。その学校では、それなりに練習の成果が挙がり、体力テストの成績も良くなったようです。

そうじゃないだろう、と思うのは僕だけでしょうか。数値上は問題が解決されているかもしれませんが、それは教師や大人たちの責任が回避されているだけで、子ども達自身の身体にとっては大して価値が無いんじゃないかと僕は思うんです。(もちろん、やらないよりは良いでしょうが。)体力テストの数値よりも、もっと大切なものが子ども達の身体から失われている気がします。

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