ピロリ菌の治療記録②

月

英語教師時代の夏目漱石が 『 I love you 』 を 『 月が綺麗ですね。』 と
訳したという逸話は有名だ。

初めて聞いた時は素敵な表現だと感動したのを覚えているが、胃が頑丈になったら
もうそんなふうには感じなくなるかもしれない。
「そんなんじゃ女性は口説けないっすよ、漱石先生。」

3月のライオンの島田八段の胃痛の原因がピロリ菌で、治療で治ってしまって
肉食系のキャラに変わったら物語が成り立たないだろう。

7日間の服薬治療を終えて、自分の体調が変わっていく良い予感がしている。
自分は本当に体力が無く仕事量に限界を感じていたが、伸びシロを感じれるよう
になった。


昨日ダニさんを見ていて思ったが、不安になったりしないで問答無用に燃えていることは健康にとってとっても大切だ。したいことがあるから、これをするまでは死ねないから、健康でいたい、その志向でスタートしないと全ての健康法は意味がない、そう確信した。

『 はじめてのことがいっぱい 』よしもとばなな 著 新潮文庫

よしもとばななさんのエッセイの一文に深く共感していた。

自分はエネルギーの総量が少ないから、やりたいことを数個に絞って
そこにエネルギーを集中して注ぎ込むしかなかった。

テレビの芸能人の話題、どんなファッションをしたいか、どんな髪型にしようか、
どんな車に乗りたいか、何を食べたいか、etc、、、
いちいち全てを気にかけていたらエネルギーが全然足りない。

体力が無いのに仕事量は少しずつ増えているので、仕事を回すだけで手いっぱいに
なっていた。新しいことにチャレンジするだとか、ブログを書くなんていう作業は
エネルギーの余剰がないとできない。

無駄なエネルギーロスを無くすことにも気をつかった。体を冷やさない、消化が
よく栄養のあるもの胃もたれのしないものを食べる、お酒を控える、早寝早起き
など生活の細かなことに気を配るようになった。(初老かキミは。)

自分のやりたいことは何かをもう何度も整理していた。
治療の技術を磨き続けたい、東洋西洋の治療の本で読みたいものがたくさんある、
形骸化しつつある(と自分は考えている)整形外科医療のリハビリのシステムを
再構築したい、日本人の身体についてのブログ連載を再開したい、東洋医学を
科学的に説明したい、ストレッチやランニングをなど運動を楽しむ人を増やして
自分の身体を好きになってもらいたい、新潟と千葉の家族と生活を楽しむ、etc、、

ずいぶんとやりたいこと(自分にやれそうなこと)が絞れてきたし、そこだけに
エネルギーと意識を集中できるようになった。

そう考えると胃弱な自分も悪くなかったのかもしれない。
胃弱が少しでも治ってエネルギー量が増え、そのエネルギーを自分のやるべきこと
だけに集中すれば、もう少し面白い仕事の成果が残せるんじゃないかと思って
いる。(まだ治ってませんが前向きに)

【ピロリ菌の治療記録お終い】

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