『子どもは判ってくれない』読書記録

 イラク戦争のとき、朝日新聞の社説は『米英軍はバクダッドを流血の都にしてはならない。フセイン大統領は国民を盾にするような考えを持ってはならない』と書いた。
  この文章はまったく正しい。
だから、正しいことだけ言いたがる人は、必然的に『具体的なこと』を言わないようになる。
 そして、いったい誰が、どういう資格で、誰に向かって言っているのかも不分明になる。
  今、私たちの社会はそのような『具体性を欠き、誰に向かって言っているのかよく分からない』けれど、文句のつけようのないほど『正しい意見』に充満している。
 新聞の社説からニュース解説から大臣や官僚の国会答弁からテレビの人生相談まで、そんなのばかりだ。

(『子どもは判ってくれない』 内田樹 著より)

「 正しい情報 」 なんて、おそらく無い。
テレビやインターネットや知人から情報をかき集めて、自分の頭の中で
咀嚼し、自分で判断を下して行動するしかない。

「 正しい 」 という情報を提供してくれる人が信頼している人であれば、
それが間違っていた時でも諦めがつくが、テレビに出ている人に
そんな人はいない。

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