『コンビニ食と脳科学』読書記録

 殊に、商品を購入しようというとき、これまで述べてきたように、
視覚情報に偏っています。視覚に頼り過ぎていると言い換えたほう
がいいかもしれません。つまり、購入するものが食べものなのに、
においも嗅がず、実物に触れもせず、パッケージを見るだけで
買っていることになりますが、何だか変だと思いませんか。

『コンビニ食と脳科学ー「おいしい」と感じる秘密』
加藤直美 著 祥伝社

コンビニ食と脳科学

テレビで食品工場見学の番組をやっていて、野菜ジュースが出来上がる行程が紹介
されていた。海外産の野菜(トマトはスペイン産、人参はオーストラリア産など)
を現地で加工、濃縮したものを日本の工場で混ぜ合わせて数種類の野菜の入った
野菜ジュースになるそうだ。加工の過程で失われるビタミンがあるので、日本の
工場で混ぜ合わせる際にはビタミン剤を足していた。

番組を見ていて、自分が何を飲んでいるのか急に解らなくなった。

私たちは商品を購入する前に、テレビやインターネットで商品について熱心に
学習している。プラスチックの容器に入った味気ないコンビニの弁当も様々な
装飾によって美味しそうだと頭が学習して記憶している。

テレビCMでは、家族でテーブルを囲み皆で笑って会話を楽しみながらコンビニ
弁当を食べている。仲の良い家族、暖かみのある木のテーブル、暖色系の照明、
お洒落なランチョンマットとグラスとコースター、木製のスプーンというような
シチュエーションで飾れば、何を食べても美味しく感じるだろう。

自分の憧れの芸能人が美味しそうに商品を食べいるが、芸能人は演技が上手だ。
コンビニ弁当から高級フレンチコースまで全て美味しいと表現している芸能人の
味覚の基準が解らないが、そういう話ではなくお仕事なのだ。

商品のネーミングも、いかにも美味しそうだと連想させる言葉ばかり並べられて
いる。『希少な○○産の食材を職人がじっくり時間をかけてコトコト煮込んだ
ふんわりトロトロこだわりの○○。』実際は工場で機械たちがガタガタゴトゴト
とできる限りの最短時間で合理的に大量に作っている。だから私たちはこの料金
で食べることができている。

インターネットが普及してから情報を読み解く力が問われ始めているが、読み
解く力をつけるには、まずこれらの装飾を剥ぎ取ったテキストのみを読み込める
能力が必須だろうと思う。

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