「 『 文明論之概略 』 を読む 上 」読書記録

 今の文明というものは、実際は十全健康ではないのだ。帯患健康なのだ。それを十全健康とまちがえてはいけないという。この十全健康・帯患健康という言葉は、幕末の蘭医、緒方洪庵が『病学通論』という訳書で使った言葉です。福沢は青年時代に緒方洪庵の適塾に学んで以来、終生医学に強い関心をもっています。

それでよく医学の比喩を用いるのです。右の言葉も、元はオランダ語を訳したものですが、十全、帯患とは実にうまい訳です。病気をもっていながら、なんとか健康であるのを、帯患健康と表現したのです。

つまりこの世の中に絶対的な善などはない、またはそれを求めるべきではない、あらゆる善はコンディショナルグッドなのだということです。

(「文明論之概略」を読む 上」 丸山真男 著 より)

完璧な健康を求めて、必要以上に怪我や病気を恐れながら生活している人が
いますが、人間も生き物ですから、必ず怪我や病気をします。

怪我や病気の予防はもちろん大切なのですが、自分の身体がどういった怪我や
病気をしやすいかを把握すること、その怪我や病気になった経験をもとに
対処方法を学んでおくことも大切です。

怪我や病気をゼロにしようとすると、かえって不健康になる気がします。
「 帯患健康 」
良い言葉だと思いました。

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