帰ってきて。まん丸あんドーナツ

駅前にある大手チェーンのフランスのパン屋さんの棚から丸いあんドーナツが消えたのはいつからだろう。

お弁当がない日は駅前のパン屋さんで3個パンを買って、自宅でタンブラーに淹れてもらったコーヒーを飲みながらパンを食べてサッとお昼を終わらせる。(お弁当がないといっても昨夜のオカズを自分が食べ切ってしまっただけであり誰に責任を求めようというものではないのでくれぐれもご注意を願いたい。)

毎回買うパンはほとんど決まっていて、ソーセージ系のパン、コロッケパンorカレーパン、あんドーナツの三つ。
栄養のバランスを心配されそうだが、朝食か夕食で必要な野菜やら蛋白質やらは摂っているので大丈夫である。三食毎日一ヶ月間きちんとした食事を意識し続けるのは、これだけ飽食で選択肢の増えた世界ではなかなかストレスになるので、一週間を振り返ってあまり良くない食事の回数が少なければトータルでOKとしている。

いつからかレギュラーの丸いあんドーナツと一緒に、「こだわり素材」をうたう少し値段の高い長細い長方形のあんドーナツが並べられるようになった。

長方形の新商品のあんドーナツも食べてみた。
外にまぶしてある砂糖が少しきめ細かい感じがしたし、パンもフワフワ、餡子も少しだけ小豆が多く甘みが上品になった気がした。
美味しいと言われれば美味しい気もしたが、まん丸のあんドーナツも充分に美味しいので今までと変わらずにまん丸の方を食べていた。

しかし、いつからかまん丸の方のあんドーナツだけ棚から消えていたのである。

あぁ、これは実質あんドーナツの値上げなのだなと後で気づいた。
値上げといっても50円ほどで、変に原価を抑えるために食材の調達方法など変えられても嫌なので値上げは良いと思う。
でも、不思議とじゃあこれからは長方形の方のあんドーナツでいいやとはならず、それ以来あんドーナツを買わなくなってしまった。

やはり、あんドーナツは丸い方が良い。
まん丸の形にはどこからかぶりついても良いという自由があるが、四角い形にはそれが無い。
四角だと両角をかじって、食べ進めて長方形の長い辺が短くなっていって最後にまた角を食べてお終いというような計算を無意識にしてしまう。まん丸の形にはそれが無く気付くと食べ終わってしまっている。饅頭でも団子でもそうだが、餡子は丸く包まれた方が上手くおさまるんじゃなかろうか。四角い饅頭や団子はいやだし。

実際にお店の売上の方はどうなったのか気になる。
ある程度売れ行きをみてまん丸を外したのだろうけれど。

自分としては形はまん丸のまま40円の値上げくらいの落とし所が好ましかった。
値段はそのままでいいから、あんドーナツの形がまたまん丸に戻れば良いのになと切に願う。