『原初生命体としての人間』読書記録

「生きている人間のからだ、それは皮膚という生きた袋の中に、液体的なものがいっぱい入っていて、その中に骨も内臓も浮かんでいるのだ」
『原初生命体としての人間 野口体操の理論』 野口三千三 著

教室に合気道をされている方がいらっしゃった時に、
「先生はまるで液体、僕は固体だ。」
とおっしゃったのを聞いてこの本を思い出し本棚から引っ張り出しました。
もしかしたらこの本を読んでいたかもしれませんね。読んでいないの
にそう感じたのであれば素晴らしい感性だと思います。

さらにここで問題なのは、自分自身のからだについていったいどんなとらえ方・感じ方をしているかということである。自覚的・意識的にはそうでなくとも、自分で直接見る外側の形や鏡に映った姿、写真などの映像を自分のからだであると漠然と感じていることが多いのではないだろうか。また、外側にあらわれた運動の結果をメジャーによって測定した数値を自分のからだの働きそのものと思い込んでいることが多い。

 しかし、自分のからだはあくまでも皮膚を含めた内側なのであり、その働きは中身の変化創造であるはずである。したがって、それを感じとるのはメジャーの数値や視覚的なものを中心にしてではなく、触覚的なものから、さらに内触覚ともいうべき体性の深部感覚(筋・腱・関節による感覚)や内臓感覚を中心にしてとらえるべきだと思うのである。

ストレッチ教室では、こういった哲学的なことは全くやりませんけれど、
自分自身の身体を見る角度が変わるお勧めの一冊です。

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